線形代数 – 余因子行列

投稿者: | 2023年11月28日

定義1

正方行列より第i行第j列を除いた行列の行列式をM_{ij}とし以下で表される\tilde{a}_{ij}余因子とよぶ。 \tilde{a}_{ij}=(-1)^{i+j}M_{ij}

特に除いた行・列を明示する場合は (i,j)余因子と表します。

また、ある行列から一部を除いた行列のことを小行列(部分行列)、小行列の行列式を小行列式とよびます。

An \times nの行列とすると、M_{ij}n-1 \times n-1の行列の行列式です。行列ではなく、1つの数(スカラー)である点に注意してください。

\tilde{a}_{ij}の符号は行と列が1つ増えるごとに反転します。

下の図は4 \times 4の行列の例です。

定義2

正方行列Aに対し、以下で与えられる\tilde{A}=\mathrm{adj}(A)余因子行列とよぶ。 {C}_{ij}=\tilde{a}_{ij}

\tilde{A}=\mathrm{adj}(A)=C^T ただし{C}_{ij}C(i,j)成分とする。

余因子の添え字と余因子行列の行・列が入れ替わっている点に注意してください。

下の図は4 \times 4の行列を並べて行列式の計算対象となる部分を緑色にしたところです。

これの行列式を各成分に対応させたものが余因子行列です。

3 \times 3

4 \times 4